認知意味論ノート   第五回

<<授業ノート>>

  • 常識を問うと会話は破綻

常識の共有 à 概念形成の共有

概念形成とは:

  1. Biological Basics
  2. Cultural Basics
  3. Personal Basics         から成り立つ

概念内容を共有しているか — 検証不可

概念形成プロセスの共有をしているか — 検証可

à à à まとめ:常識を共有するということは概念形成(経験を通して構成される)を共有することである

  • 意味付けと概念形成

-意味は経験を通して記憶を構築することで意味知識を構成する

-その意味知識構成プロセスを“概念形成”と呼ぶ

概念形成プロセス:

  1. Categorization (カテゴリー化)

外枠を作る

  1. Conceptualization (概念化)

中身を作る

  • 概念形成 >>> 2. Conceptualization

<意味の三角形>

-connotation (概念)

-word (コトバ)

-denotation (表示)     から成り立つ

  • 概念形成の原理

差異化   /   一般化   /   典型化

を通して概念形成は可能となる

(a). 一般化

一般化の必要性

有限のコトバで無限の世界を語る為には、コトバをeconomicalに使用しなければならない

一般化の習得

コトバをover-extension そして under-extension 使用することで一般的に使用される概念形成を行う

(b). 差異化

– AがAである為には 非A の存在がなくてはいけない (eg. 主人と奴隷の関係)

-非秩序(カオス) à 秩序の形成

差異化のタイプ:

  1. A / 非A タイプ
  2. A / B / C タイプ (domain specific) 犬/ ネコ/ 虎…
  • A: a / b / c タイプ (domain à detail) eg. いちご: とちおとめ…

階層モデル:

上位レベル (果物)     à 類化

“中間レベル”  (リンゴ)

下位レベル   (王林)      à 種化

私達の会話において”中間レベル”が概念の共有に非常に重要

(c). 典型化 (らしさの基準)

-“変わった〜””特別な〜”の使用は概念形成の典型化のプロセスによるもの

– 私達は典型化が想定の範囲内なら安心し、それを超えると不安になる

– ステレオタイプの生成原理 (ステレオタイプ = 過激的にシンプル化された知識)

典型化のプロセス:

知覚的特徴 / 機能的特徴 / 行動的特徴 を基に典型化

個人差 (sensory systemの発達 / 好み / 表現能力) の違いが関係する

典型化とメタファー:

  • 私達は”鳥の特徴ついて説明しなさい”と言われたとき、空を飛ばない鳥がいるにもかかわらず、鳥らしい鳥の特徴について説明する傾向がある

典型化と行動のスクリプト:

-行動のスクリプトが常識の基盤となる

-行動のスクリプトのお陰で安全が保たれる

-行動のスクリプトの構成

(1). 対象行動のナビケーション

(2). 個人差

<<感想>>

自分と異なった背景を持つ人と関わった時にときどき私は騙されたような気持ちになることがあった。例えば友人と協力をして課題を完成させる時に出来るだけ自分の時間を費やすようにしようと約束したとする。私にとっての“出来るだけ”は、食事の時間すらもいつもより短縮してその課題を行う時間に費やすことを意味するとする。しかし、一緒に課題を行う友人にとっての“出来るだけ”は、彼の好きなテレビ番組を見る時間すら削らないことを意味するかもしれない。

このようなシチュエーションの対応時に、コトバの意味する概念形成プロセスを知っているか知っていないかでは大きく異なる。この例は特にコトバの概念形成プロセスの典型化の共有の問題である。概念形成の原理として挙げられている他の2つの要素(一般化, 差異化)に比べて、典型化は特に個人を取り巻く環境要因との関わりが強いと思われる。

認知意味論ノート  第三回

<<授業内容意味付けと状況>>

  • 私達の会話
  • コトバに対しての互いの意味付けがベース
  • 状況の協働編成を伴う

→ “コトバのキャッチボール”ではない

  • 意味付けの相互作用

コトバ (発する側)

-受け取る側に合わせてコトバは発せられる

-意味付けを行う為のトリガー

-コトバは発せられるとスピーカーから離れる

-受け取る側のリスポンスからどのようにコトバが理解されたかを知る

コトバ(受ける側)

-受ける側は状況に最も適応した理解をする

→私達のコトバの理解プロセスは白紙で始まるのではない

  • 新たな意味付けモデル
  • コトバ=私達の頭の中のdominanceを示すもの

Sense Making

“意味 à 記憶連鎖 à 意味知識”

経験を通して記憶が更新されると共に意味知識も更新される

記憶連鎖 (Evoke / Entrainment)

Evoke…

コトバは記憶連鎖のトリガーとなる

Entrainment…

“コトバ à 記憶連鎖の引き込み合い à I got the picture! “

記憶連鎖はコトバ、感覚、サウンドetc…といった全てのものから成る

グラマーや他のコトバとの掛け合わせ、更に状況はEntrainmentを引き起こす

(Eg. オオカミ à 多くの意味 / オオカミ&少年 à 意味が狭まる)

聞く 話す

“話す”(事態構成をする) à コトバ à “聞く”(事態構成される)

→事態構成はコトバにされることで始まる

  • 情況内事態

内容把握(発話の意味) / 態度把握, 意図把握, 表情把握 (発話者の意味)から成り立つ

  • 意味の不確定性

多様性 – 個人により意味は異なる

多義性 – 個人内で文脈により意味は異なる

履歴変容性 – 個人内で時間軸により意味は異なる

不可知性 – 人の記憶には暗黙の領域がある

<<授業感想>>

第3回目の授業で、コトバ表現がどれだけ私達の世界観を築き上げているかについて学んだ。

コトバ表現により、私達は目の前の世界の事態構成をはじめる。この会話の始めの一言は白紙から始められるのではなく、その時の情況(話し相手も含む)に大きく依存する。そして、話し手のリスポンスにより、話し手は話した内容がどれだけ理解されたかを察し、そこから更に次のコトバ表現を判断する。

また、コトバの意味とは、私達が経験した記憶から成り立っており、その記憶連鎖により意味知識として私達に備えられる。従って意味知識は新たな経験により記憶が更新されるごとに更新される。その為、他者との間で完全に意味を理解することは不可能であり、更に個人においても文脈や時間により異なる。

これらのことから、会話を行うときに自分のコトバ表現といった内容、更に態度、意図、表情といった意味的要素に注意をすることで、話の流れを作り上げられるといえる。今まで苦手な人との会話は出来るだけ避けていたが、今後はコトバの情況と意味付けに関する知識を深める為にも苦手な人とも積極的に会話を行ってみるのもありだと思った。

認知意味論ノート 第二回

<<授業のまとめ>>

  • Main Idea

意味 → 記憶 → 意味知識

・意味は経験を介した記憶を通して意味知識を形成する

  • 意味知識こそが私達が普段“意味”として理解しているもの
  • 意味知識は経験を通して常に更新される
  • Sign

記号とは意味するもの意味されるもののコンビネーションである

  • 意味するもの → 記号等といった表現形式
  • 意味されるもの→ 記号等の内容意味
  • Meaning

意味実在論:言葉には完全一致する意味があると考える考え方

意味構成論:言葉は不完全一致な意味があり、私達は意味を構成しているという考え方

→ 意味構成論は人間の多様性を支持する

  • Language

恣意性 (ソシュール)言語の音声面と意味的な内容面には自然な結びつきは存在しない    →犬が“犬”や”dog”と呼ばれる理由はない

関係的恣意性:”A”が”A”という意味を持つためには、”A”の特徴を区別出来るための他の存在(”B”や”C”)が必要である。

  • Sound Symbolism

言葉の意味を知らないはずの子供に”flicker” / ”glare”の区別等をさせると、かなり高い割合で意味を推測することが出来る。

→ 必然的…???

“Drift” (Sapir)

言語構成の始まり(恣意性) → 一定の方向性を作る → 完璧な恣意性ではない

言語構成の始まりは音声と意味内容の関係はないが、言語が広まるにつれて一定の方向性を作り出し、それがその後の言語の発達に影響しているのではないか。その為、言語の音声と意味内容に一定の法則(合理的・感覚的裏付け)のようなものが見られる場合があるのではないか。(有契性)

 

<<感想>>

第2回目の授業では、言語表現と言語意味内容についての違いについて学んだ。特に、私達が言語意味を記憶を介して構成するという点が印象的であった。

私は海外のstandup comedyが好きである。アメリカのstandup comedyはイギリスのstandup comedyは笑いのセンスやプレゼンテーションのやり方が異なる。むしろ同じ国でもその地域によって、comedianがある言葉を用いて観客に伝えようとしていることはまったく異なる。高校時代イギリスで過ごした私の英語の意味構成は、きっとその時の環境からたくさん影響を受けていたのだろう。同じstandup comedyを音声のみで聞いた場合、映像(comedianの表情やジェスチャーを含む)で見た場合、そして映像が観客のリアクションを含んでいる場合ではまったく意味理解度が異なる。きっと音声以外の多くの情報を読み取ってその場で臨機応変に意味構成を行っているのだろう。そしてその複雑性が心地好くて、私はstandup comedyを好むのだろう。

認知意味論ノート  第一回

<<Lecture>>

-世界と言語の関係

世界 → 言語 → 心的表現

・私たちは “Free Expression” X “Use of Formulas” を通して言語を利用する

・”Free Expression”は一定のルール(grammar etc)を基礎とする

・”Use of Formulas”は会話がベースとなっている

・”Use of Formula”には慣用句などといった、文化に強く根付いたものが含まれる

→つまり言語は、その人の個性とその文化の両方が反映する

→そして言語がその人のリアリティを構成する

-Langue と Palore

Langue → 私たちが言語としているもの

(音・語形成・文法の体型)

Parole →     音やリズムの流れ

従来の言語学は、Paroleからパターンを見出しLagueを摘出するものであった

-Generative Grammar (Chomsky)

子供はコミュニケーションの輪に入ると言語をマスターする

→ 第一言語を獲得することは、先天的なシステム Universal Grammar により起こる

→ 環境的な要因ではない

*Universal Grammar: 人の脳は先天的に文法といった、文を作るために言葉の組み合わせを行うルールを獲得

する仕組みを持っているという考え

<<Expanding Ideas from the Lecture>>

今回の授業でGenerative Grammarという新たな論について学んだ。Generative Grammarでは、Universal Gramm

arという先天的なシステムを健全な人間は皆持つという見解を持つ。そして、このGenerative Grammarでは、そ

の時に話されている言語のシステムを獲得する。その為、その人の持つ言語というのはその人の所属する文化(w

ay of life)を象徴するということを学んだ。

私の興味のある分野であるEmbodied Cognition (Gibbs) では、言語を理解するといことは(1). 音声のような

物理的情報を噛み砕き (2). 言語的に独立した情報に確立し (3). それらの情報から意味予測を立てる ことを

通すとしている。更に、この予測するプロセスはその時のシチュエーションに大きく影響を受けるとしている。

このシュチュエーションの要素をEmbodied Cognitionでは、感覚センサーの反応情報(相手の口の動きといった

視覚情報 etc)としている。

文化(way of life)は人それぞれが持つ感覚センサーから情報としてインプットされる。そしてその情報から私

たちの持つUniversal Grammarを使用して脳内で言語習得をしている。その為ほぼ同じ環境で育った人同士でも

人それぞれに独特さがあるのではないかと思った。